HEAD

2022/05/17

ナンバースクール特に仙台二の受験について その2

https://kanpu-san.blogspot.com/2022/04/1.html のつづき。

経験に基づく個人の意見です。思いつくままつらつらと書いていきます。

 自分で勉強する成績優秀な生徒は今も昔もいます。それを見て「塾など使わなくても」と思ったら失敗します。ごくふつうの一般人がトップ校を目指そうとしたらいまは塾は必須です。これは仙台という地方都市でも変わりません。ただどこの塾でもいいというわけでなく、その選択は非常に重要です。学校選びより重要かもしれません。換言すればそれなりのカネをかける必要があります。

まず入試制度の理解が必要です。宮城県の高校入試は本番点+3年間の評定点の組み合わせで決まります。本番点はいくらでも底上げは可能ですが、評定点は地道な積み上げですから1年次で失敗すると後々苦しい状況がやってきます。1年生なんて小学生の延長気分ですから、親がなんとかしないといけないわけです。ライバルの存在と定期テスト対策をしてくれる塾は必須です。


【評定について】

基本的に内申点+試験点の合計で合格者が決まります。内申点と試験点の比重計算は各校で決めることになっています。例外として共通選抜と特色選抜という仕組みもあるけど、後者は事実上ブラックボックス化しており選考過程が不明です。なのでナンバースクールを目指すのであればまずは共通選抜を頭におくべきです。

塾の説明などを調べればそのへんは詳しく解説されていて、二高一高の場合は5教科は学年評定×1、4教科は学年評定×2と換算し、年次の満点は65点なので3年分は×3=195点。
二高の場合、合格者平均は例年185点ぐらいのようです。すなわち5教科はオール5,4教科で4が4-5個という感じになります。学年ごとで見れば評定4の実技教科が2つ以下という感じです。3年間通してです。二高レベルだと満点も珍しくありません。このしくみからは、実技科目もしっかり取り組んだ生徒を評価して、受験バカは排除しようという学校側の意図が見えます。
また、3年時に追い込みで頑張ってもそれは評価しませんよ、という宮城県教育委員会の方針がうかがえます。その是非はともかくそういう制度なのだから、われわれはそれに合わせて対策するしかありません。

その昔はちょっと不良っぽい生徒が部活引退後に死にものぐるいで勉強して二高に合格、という例もありましたが今は無理です。1年次から着実にまじめに学校生活を積み上げていかないとトップ校は見えません。親が、「なに、3年になってから頑張ればいいんだよ。まずは部活をしっかりやれ」という古い認識のままだと子どもが泣くことになります。

 いまは定期テストが450点ではトップ層ではありません。評定5をもらえればいい、という考えなら450点でもいいかもしれませんが、二高の学力には足りません。二高を目指す層は480点以上は取ってきます。学年3位内を目指すなら490点超は欲しいところです。すごい世界になっています。


【どの塾が良いのか】

 そういうわけで、一般人の対策としては塾を使うのが得策でしょう。仙台圏だと実績的には進学プラザ、ひのき進学教室、河合塾NEXTが3巨頭です。この3社は高校部も持っていて、それぞれ東進衛星予備校、河合塾マナビス、河合塾と連結しています。そこまで取り込もうという意図があるようです。この3社を軸に通学環境を考慮して選ぶのがいいでしょう。費用もカリキュラムもこの3社だと大きくは変わりませんが、いずれもカネが結構というか相当かかります。高校以上かもしれません。

その他には、能開センターや仙台練成会、明光義塾、麻布学院なども良いと思います。麻布は個人塾ですが特色的な熱い指導で確実に引き上げてくれるようです。

 どこの塾でも入塾までに説明、体験、面談という流れがあり、いちいち親が付き添うので結構面倒です。親の本気度を見ている側面もあるみたいです。どこも熱心に話をしてくれて、いろいろ得る情報も多いので足を運んで損はないです。しつこく電話がくるこもとないです。そもそも勧誘がうるさいところは生徒集めに必死なわけであまりオススメはしません。

 

【各塾の特徴】

 見知った限りで記します。

 高校だといまは映像授業が主流ですが、中学は集団対面授業が主流です。また各社個別指導もありますが、どちらかといえばちょっとレベル的に下の生徒向けで、トップ層は集団対面一択です。ただし欠席した場合には映像で補ってくれる等対応があるようです。

 

 進学プラザ https://shin-pla.co.jp

 もともと塩釜にあった個人塾が発展したようで、現在は県内最大手と思われます。進学プラザブランドのほか、一高二高に特化したTOPPA館を展開していて、仙台駅東口のTOPPA館だけで30-40人ぐらい二高合格者を出します。都市部だけでなく郊外にも教室があり、遠くから来る人には使いやすいかもしれません。

二高合格者は全体で毎年100-130人ぐらい出ます。

 TOPPA館は選抜制で、毎回授業の前に小テストをして席順を決めるということでモチベーションを保つなどしているようです。宮城県でメジャーな新みやぎ模試を使っておらず、合格判定資料のステルス的存在になています。ただ、一高・二高突破模試等独自テストを行っており数値分析が詳しいです。



 ひのき進学教室 https://www.hinoki-sendai.com

 数年前までは独走でしたが進学プラザに猛追されているように見えます。こちらもひのき進学教室ブランドのほか二高一高必勝館を展開しています。上杉教室は20-30人ぐらい二高合格者を輩出します。都市部が多いです。二高合格者は全体で毎年80-100人ぐらいです。

 こちらも二高一高必勝館は選抜制です。自習室が午後10時まで使えます。自習室は高校部のある上杉の大学進学館も使えます。大学進学館は年中無休のうえ10-22時30分まで使えます。進学プラザの一高・二高突破模試の日に独自の二高一高三高必勝模試をぶつけてきて対抗しています。新みやぎ模試も使っていて全体の位置を把握しやすいです。

 

 河合塾NEXT https://www.kawai-juku.ac.jp/next/

 大学予備校のある本町のほか二高受験生の多い地区に教室が増えつつあります。河合塾ブランドの安定感で選ぶ人は多いようです。本町のほか八幡教室なども二高合格者が多いようです。二高合格者は全体で毎年30-50人ぐらい。新みやぎ模試やぜんけん模試などを使っているようです。



 この3社だとどこの教室でも一定のレベルは保たれますから間違いありません。その中でより良いところ、と思うなら中心部の上杉、五橋、八幡あたりの生徒が通う教室を選べばいいでしょう。生徒の本気度が違いますから。

親の送迎が必要なら、駐車スペースの有無や渋滞しやすさ等も結構重要な要素です。決める前に送迎のシミュレートをおすすめします。また受験直前になると自習室の利用も増えますから、自習室の使いやすさも考慮しましょう。可能な限り見学したほうがいいです。いまは大学受験まで自習室で勉強するスタイルが主流ですから。家ではまったく勉強しなかった、という東大合格者も多いです。

 郡部だと状況は苦しいですが、Z会や、進研ゼミの「最難関挑戦コース」「難関挑戦コース」でなんとか食らいついていく方法もあると思います。



【費用】

 最低でも年70万はかかると思っておいたほうがいいでしょう。毎月の授業料のほか夏期、冬期、春期等の特別出費も多いです。この点、麻布学院 http://azabu.manabiya.tv が費用を抑えている旨塾長ブログで公言しているのは注目です。お得ではあるかもしれません。

トータルの損得で見れば、塾を使い現役で東北大に進めば学費も生活費もそれほどは増えないわけで、首都圏私立大学に進むよりははるかに安上がりではあります。ここは家庭ごとの考え方でしょうね。

 

(つづく)